第1回:ももいろクローバーZ有安杏果の卒業に寄せて
このブログは主に音楽のことを中心に、自分の興味あることや価値観、物申したいと思ったことをざっくりと嫌味ったらしく連ねていく内容にしたいと思ってます。
“今思ったこと”というのを大事にして、将来的にはアッコにおまかせ!「芸能&ニュース どばっと1週間」のようなテンポ感で、軽くてスタイリッシュな文章が書けるようになることが目標です。あとオタクっぽさもなるべく出さないように留意して。不定期でも続けていきたいです。
この2018年1月は個人的に色々なトピックがありました。
まずは大晦日ガキの使いの笑ってはいけないのブラックフェイス問題。
TVとかネットとかで多く見た「あれは差別じゃない」「差別だ!という人のほうが潜在的に差別の心があるんではないか」という意見。個人的には、おいおいそこがポイントじゃないでしょ!と強く引っかかった。
But all of that's what the point is not
The point's that there ain't no romance around there
この問題で一番大事なのは、受けて側からの目線。自分たちの思惑は関係ないです。僕もあの黒塗りメイクに差別の意図があったとは思いません。でも受けてが悲しんでいるのにそんなつもりないよ!ってい言い張るの、いじめっ子がいじめている相手に対して「あれはいじめじゃない」って言う構図と似てませんか?
笑ってはいけない、僕も全部見たけど、あの仕掛けが構成上本当になくてはならないといけないものだったのか?という点では疑問であるし、もっと色んなこと考えてクールにテレビ作ろうぜ!って言いたいです。
あらゆる事柄でワールドスタンダードを意識しなければいけないってとても退屈で窮屈で、日本の良さが消えてしまうんじゃないの?って思う人がいるかもしれないけど、今の時代それって当然だよね?とも思うし、“良さ”って秀でた部分に表れるところで、今回みたいな悪い部分は切り捨てて行くべきだと思います。そんなこと言っててこれからまた日本は鎖国するつもりなんですか。
…というわけで、第1回目のキーワードは“ドメスティック”でいきたいと思います。
“ドメスティック(海外の人には良さが分からないかもしれないもの)”なものの代表例としてアイドル文化があると思います。言い方を悪くすればロリコン文化。恋愛したらダメなんだって、引く〜⤵️⤵️⤵️というような。
とアイドル大嫌い人間と勘違いされるような文言。しかし、かく言う僕もアイドルが好きな時期がありました。それが本稿の主人公ももいろクローバーZです。「好きな時期があった」なんて言うと今は違うの?と思われるかもしれないけど、そんなことなくて今も普通に好きです。昨年、テレビをつけて意図せず、嵐の番組にゲスト出演したももクロを見たとき嬉しかったですもの。ただライブを行くまでには至らなくなった。もっと他に観るべきものがあると思ったから。ほら、今月だけでもMura Masa、Mac DeMarco、JOEY BADA$$、The Internet、Julien Bakerのライブがあるじゃない!お金の使い方はちゃんと考えなきゃ。
ただももクロを好きになった理由に一言付け加えるとしたら、ももクロは他のアイドルとは全く違ったの!←はいっ!でたでた〜!他のアイドルファンから目の敵にされる発言のやつ〜〜〜!!!非難は受け付けます。
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僕がももクロを好きになったのは高校生のときのこと。当時RadioheadとかMuse(の1st)といったいわゆる暗〜いやつばかりを聴いていました。
そんな中に突如現れたのがももいろクローバーZ。
訳が分からない、訳が分からない。宇宙を自転車で走ってるPV。転調ばかりする音楽。
なんだこれは?!と衝撃を受けた。今ちょっとばかし音楽に詳しくなった風の僕でも、ヒャダインとがっつり組んでいたときのももクロは当時最も刺激的な音楽だったと思っています。
受験期寝る前に毎日YouTubeでももクロのことを検索していました。勉強しろ!なんて言われたこと全くなかったのに、二次試験前にももクロのライブ映像を見ていた僕に父親が初めて「お前大丈夫なのか?」と心配した…なんてエピソードも。
自分が思うももクロの特徴をいくつか挙げます。
まず“無理やりやらされる”ということ。
女の子っぽい衣装は全く着させてもらえないし、時にはプロレスのヒールレスラーのようなメークもする。アイドルっぽくないアクロバティックなパフォーマンス。
しかし、いつだって全力でやり遂げた。無理やりやらされているのに出ないやらさている感。甲子園の高校球児のような爽やかさ、煌めきがももクロにはあった。そして無理やりやらさているものがいつしか無理やりでもなくなっていた。
次に“ハンパないアウトプットの量”
これは“無理やりやらされる”に派生することかもしれないけど、とにかくももクロは色んなことをやった。試練の七番勝負では、色んな異業種の人たちとのトークをたくさんしてきた。半分マネージャーの趣味も入って本当に色んな人と絡んでいた。
そしてももクロの曲からは色んな他からの引用(元ネタ)を見つけることができる。
ももクロってとにかく引用、悪く言えばパクリが多いんですよ。(5Th Dimentionのときの衣装が本当にパクってたという笑えない出来事もあったんだけど。笑)
ただこれを良い話に持っていくヘルプとして、LCD Soundsystemのジェームス・マーフィーがデヴィット・ボウイに「If you know anything about my work, you know I’m an enormous fan of your work because I steal from you liberally」と言ったとき返答に、「You can’t steal from a thief, darling」というのがあって、つまりデヴィット・ボウイをしてでもたくさんパクってきたよ、ということなんです。
ただデヴィット・ボウイがやってきたことは当然全てオリジナルなんです。自分の明確なビジョンがあって作品を創っていけば、そこに“オリジナリティ”は自然に生まれてくるものなんだと思います。ももクロの活動は、考え方なども含めて、正しく引用されて展開されてきた。だって考えてもみなさい、どうしたって、ももクロはももクロでしかないでしょ?
おそらく世間的には全く話題になっていない、個人的にはももクロ史上最高の大名盤「白金の夜明け」には(特にブラックミュージックの要素が詰まった)多種多様の音楽要素がある。自分の1番のお気に入りはラストトラックの桃色空。(杏果の歌い方が最高なの。)色んなジャンルが混ざっているのにも関わらず、そこにアルバムとしての統一感があるのはももクロが歌っているからだと思ったんです。彼女達はこのアルバムをもってして、音楽的にもアウトプットしたものを自分達のものとして昇華することができるんだと証明しました(と個人的には思います)。
パッと思いついた特徴はこのぐらい。でもそれ以外の色んな事柄を踏まえても、ももクロはアイドルっぽくないことをたくさんしてきた。そもそも、ももクロはAKB48のアンチテーゼとして生まれたアイドルグループ。かっこよく言えば、アウトサイダーとしてのスタートだった。
アイドルという大前提がありながら、“アイドルっぽくないこと”をするっていうのが、ももクロを面白くさせた最大の理由でもありました。
なぜ自分がももクロの興味を次第に失ってしまっていったのか…。
自分に正直になってみると、国立競技場のライブ以降、ももクロを応援するモチベーションを見失っていたのは隠しきれない。
アイドル史に残る「みんなに笑顔を届けるという部分で、天下を取りたい。」という夏菜子の名言、以外にもこんなことを言っていました。
「もう悪い大人は、私たちの前に壁を作ってくれないんだなあと思って。だから私たちは今度は自分たちで、大人の事情とか関係なく、もっといろんなことをやっていけたらいいなって思いました。」
僕は、この発言を現場で聴いて一番、あぁ、、、とジーンときたんです。確かにな〜と納得させられるとともに、それでもやっぱり一つのゴールにはたどり着いてしまった感。例えるなら、ポケモンにおける四天王、チャンピオンを倒して殿堂入りしてしまった感。僕はポケモンにおいても、シナリオをクリアしてしまうと、ゲームに対する興味が薄れてしまう人間なんですね。
ももクロはとにかくスピード感が凄かったんです。Zスタート〜紅白〜国立競技場に到るまで。会場の規模もドラえもんのバイバインのように大きくなっていった。
会場としてのゴールも、ここ日本では国立競技場がゴールだしね。改修工事前にライブが出来たのも、“持っていた”。
国立後の停滞感を自分は感じられずにはいられなかった。とりあえず変なところでライブをやる、という感じであったり、とっっっっくにピークを過ぎきっているKISSとのコラボ。(何も知らない馬鹿なおじさんが喜ぶだけだよ、そんなもん。)海外展開ではBabymetalに水を空けられてしまったし、テレビで扱われるアイドルは乃木坂46になっていた。ドームツアーでも地方では満杯にできない現実も目を向けなければいけなかった。旬のアイドルではなくなってしまっていたのだ。そんなこと関係ないよ!自分が好きならそれでいいじゃん!という目線はここでは無視しといて、ね。
そして、ここでようやく登場するトピック、2018年1月15日、ももクロの緑、有安杏果の突然の卒業発表。
僕が、最近距離を置いていたももクロに久々に興味を持った、持ってしまった出来事。この記事を書く最大の動機になった出来事。
距離を置いていたのにも関わらず、唖然として、悲しいという感情さえ湧き上がってこなかった。卒業発表を経て、色んな情報を漁った一週間だった。こんな形で再び興味を持ってしまって情けない。
ここで、ふと冷静になって考えてみた。このももいろクローバーというのは、そもそもアイドルがやりたい!と願って芸能界に入ってきた子の集まりじゃない。という前提があった。
女優のイメージが強かった、スターダストという芸能事務所が、レッスンの一環として、アイドルっぽいことをさせてみる、というのがももクロの始まりだったのだ。
かつてのももクロのメンバーだった、あかりんこと早見あかりも本来の夢である女優を目指して、ももクロを“脱退”した。
自分の中で、最大のももクロを好きな理由としては、前述した“アイドルっぽくなさ”なんだけど、その根底にあるのは、ももクロというグループは、“アイドルをしたくてアイドルを始めたわけじゃない”という事実だと思う。
人々にちやほやされるアイドルという職業になりたい!って思う女の子にちょっと引いちゃうというか…。(非難は受け付けます②)
(古市さんの支持者というわけでは決してありません、という前置きをして、)つまりこういう考え⇩
古市憲寿「アイドルはキモい」を女子高生飯豊まりえが支持(2015/09/20)
だからこそ、今回の有安杏果の“卒業”理由にはどこか納得せざるを得ないものを個人的には感じる。「普通の女の子になりたい」、確かに分かる。
そして発表後のももクロ御一行と言えば、やけにあっけらかんとしている。あっさりとし過ぎている。有安の考えを尊重したい、なんだそれ?
でも自分が仮にももクロのメンバーだったとしても、同じ結論に至るとも思った。本人の意思を尊重するって考え方ってすごい普通。あらゆる人がそうであるべき!と感じているだろう。そういう普通の考えが、莫大なファンを抱えていても決断できるというのがももクロというグループ。
やめたいと思いを隠して活動を続けることが一番ファンに失礼と思ったんだろう。思えば彼女達の行動に嘘偽りなんて、一度だってなかった。
しばらく試練らしい試練がなかったように見えたももクロに、久しぶりに大きな壁が現れた。
「逆境こそがチャンスだぜ!」
ももクロは逆境をバネにして、ポッカリと空いた穴を埋めるどころか、それ以上の快進撃を見せてきた。
自分には、4人になってしまったももクロに新たな期待感が湧いてきている。あの東京ドーム嫌いだったはずのももクロの、東京ドーム公演も発表された。
ここからももクロはまた面白くなるぞ。
東京ドーム公演は就活の時期だから厳しいかも。だからサマソニなんかに来てくれないかな〜。ももクロのサマソニ公演は2012年は伝説で、僕が見た2013年の公演も最高だった。
と無理やり繋げて、次の話題。また内容が180度変わって、最後は先日発表されたサマソニ第一弾の話題。
Chance The Rapperの文字を見つけて大興奮!!!昨年の幻のリーク事件を経ての出演発表!チャンス・ザ・ラッパーを日本で見ることができる!!!
ただこのCHANCE THE RAPPERの名前がもしなかったらと考えると、途端に絶望的な気持ちになってしまったであろうというのも事実。
BeckとNoel Gallagherがヘッドライナーのフェスって…。今は2018年だよ?Spotify、Apple Music、Netflixの時代だよ?と思うわけです。90年代に全盛期を迎えた人たちが未だにその国を代表するフェスのメインを飾るって、それは正常なの?と物申したいわけです。
普通に考えたら、Chance The Rapperがヘッドライナーになります。Beckはどう考えたって、トリ前。決してヘッドライナーじゃない。自分はBeckの大ファンだし、ひいき目で見てもね。ノエルはそもそも、扱いが悪いフェスには喜んで出演しないでしょう。試しにNoel Gallagher's High Flying Birdsがアメリカの主要フェスに出演した記録をぜひ調べて見てください。
ただこうなってしまったのは、こうした方がお客さんを呼べると判断されたからでしょう。よく知らないChance The Rapperっていうラッパーがトリのフェスより、ベックとかノエル・ギャラガーっていうよく知っている名前の方が安心・安全ですよね!
ほら、ここにも“ドメスティック”な日本の洋楽市場が散見されます!ドメスティックな洋楽市場っていう、この矛盾を抱えたワード最高ですね!!!
ただ僕はサマソニ側の人間なので、Creativemanの心苦しい気持ちはよく分かる!
そうです!サマソニの褒めるべきところはたくさんある。近年のソニックマニアのラインナップを見ていると、深夜にやって面白いかどうかの判断は多少あるものの、見事に過去サマソニ・フジのメインを飾ってきたロック・バンドを深夜に追いやっている。
去年や一昨年のラインナップを見て欲しいんだけど、以前はソニマニの中核を担っていたEDMアクトがロック・アクトと入れ替わるようにメイン・ステージの重要なスロットに出演するようになった。
その集大成として、2017年はCalvin HarrisがDJとして初めてサマソニのトリを飾った。(自分はカルヴィン・ショックを受けた側の人間だけど…笑)
2017年のラインナップを見てみよう。
ピコ太郎、欅坂46、Babymetal、UVERworldまでも連れて来て、とにかくごっちゃ。色んな層を呼ぼうとし過ぎ!笑
ただCalvin Harris+Foo Fightersってとってもワールドスタンダードな両ヘッドライナー。去年のフジロックなんかよりもよっぽどね。ただ集客は厳しかったみたい。色んな客層に目を向け過ぎたっていうのも一つあるんだろうけど、単純にヘッドライナーが弱かったのかもしれない。Radioheadが来れば、ソールドアウトしたんだし、(Radioheadは現在でもスーパーヘッドライナーだけど、)せっかく頑張ったのに来客が見込めないなら、そりゃBeckやノエルをヘッドに置こうと思う。フェスはボランティアじゃなくて、商売だから。
以上、フェスはどんなにビッグネームを呼べても、スロットの位置次第ではテンションが下がる、といった話から、サマソニは頑張っている!同情する余地ある!っていう話をしてきました。
ただ今年のサマソニはビッグネームを呼べているのは事実で、この極東でのMy Bloody Valentineのライブ復帰アナウンスは世界中で波紋を呼んでいる。Kelelaなんてめっちゃフジが似合いそうじゃ〜ん!っていう今ホットなR&Bアーティストなんだけど、これも絶対外せない。そして何よりChance The Rapperがいる。前方は日本人よりも外国人の方が多いかもしれない。でもここ日本でもNo Problemの大合唱を見せてやりたい。
というのが僕のサマソニ2018第一弾発表の率直な感想です。
ここにさらにCamila Cabelloなんか加わったら最高だな〜なんて願いも最後に載せておきます。
最近はすっかりカミライザー、笑
以上が記念すべき第1回の全内容です。こう書いてみると、2018年1月は文化的にとても濃密な気がしてきました。Netflixの「このサイテーな世界の終わり」も最高に面白かったし。