My Own Life Is Rubbish

主にライブレビューや音楽のことについてのブログです。

[2018.8.19]SUMMER SONIC 2018 TOKYO Day2

4時くらいには寝られたのだろうか、それでもまだ全然睡眠は足りない感じ。ホテルのベッドでならいくらでも寝れそうだけど、チェックアウトの時間があるので、しぶしぶ起きる。

近年のサマソニは2日間を“ROCKの日”、“POPの日”に分けていて、それで言うと今年はノエル、QOTSA、テーム・インパラを各ステージのトリに据えたDay1が前者、チャンス、アレッシア・カーラやJ Balvinなどが出演するDay2が後者な気がするけど、例年よりも全体的にロック色は強めかもしれない。

 

  • 11:10~ Moutain Stage Knox Fortune

チャンス・ザ・ラッパーのColoring Bookでの客演で名を上げたプロデューサー兼アーティストKnox Fortune。アルバムはさらりと聴いていたくらいで、イメージ的にはHip-hop寄りの人たちなのかな〜と思っていたけど、実際のステージで観た印象は爽やかなインディー・バンドと行った感じ。ライブも上手で、朝一番の景気付けにはとても良かったです。ただAll Nightの盛り上がりの感じを観て、この後のチャンスのステージが少し不安になった。笑

 

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Konx Fortuneの人の入りが良かったように感じたのは、堂本剛擁するEndrecheriが次に控えていたからかもしれない。真昼間にしては極上すぎるファンクで初見の音楽ファンを唸らせるような圧巻のステージだった。ジャニーズ故の色眼鏡が堂本剛には邪魔くさく感じるのではないかと邪推してしまった。

続いてのPetit Biscuitは、疲れもあってあんまり集中できず、、、 評判は良かったけど、その時の自分のテンションとあんまり噛み合わなかったかも。この日は、この後のアクトの並びに標準を合わせてきた感じもあるので!

 

  • 14:30~ Sonic Stage Rex Orange County

Alex O'connorによるソロプロジェクトRex Orange Countyがソニックでオンステージ!昨年出した2ndアルバムやTyler, the Creatorの作品の客演で話題となり、耳の早いリスナーには待望の初来日公演となっただろう。Rex君はKing KruleやLoyle Carnerと同じBRIT Schoolの出身で、ここらへんの若い世代が今後のイギリスを代表するアーティストへと成長していくかもしれないと予感させる。

タイラーのブランドGOLFの緑色のTシャツにハーフパンツと爽やかな出で立ちで現れ、アルバムの表題曲Apricot Princessでおしゃれで愛らしく日本のファンに挨拶を告げる。この時点で期待感は煽られまくりだ!続いて自分も大好きなTelevison / So Far So Goodを音源よりBPM早めに披露。ギターリフの部分がピアノver.にアレンジされていて、キーボードをリズミカルに弾くRex君の姿がとても印象的だった。曲によってはラップも自然にこなすし、Corduroy Dreamsのような曲では、1万人規模のステージにも関わらず飄々と弾き語りスタイルもやってのけたりする。何をやらせても常人以上にできてしまうタイプなのだろう。いっときも見逃せない弱冠二十歳の才能をまじまじと見せつけられた一時間だった。Rex Orange Countyは音楽の魔術師!!!

 

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  • 15:50~ Sonic Stage Jorja Smith

DrakeやKendrick Lamarにフィーチャーされたことで名を挙げ、今年6月に満を持して1stアルバムを出した、ブレイク間違いなしの英国生まれの歌姫Jorja Smtih。今回のサマソニの中でも最も楽しみにしていたアクトの一つで、こんなに良いタイミングでライブが観られるのは幸運だなと思います!

ライブはアルバムの表題曲でもあるLost & Foundでスタート。少し長いイントロの後にジョルジャの歌声が聴こえた瞬間に歓声が沸き起こり、そして一気に引き込まれる。とても伸びやかで少し引っ掛かりのある歌声がなんとも魅力的。この歌声を生で聴きたかったのだ。

Jorja Smithのライブで特筆すべきは、歌声だけでなくバンドの演奏も凄まじかったことだ。Ezra CollectiveのドラマーでもあるFemi Koleosoを始めとする気鋭のジャズ・ミュージシャン達がバックを務めていたので、彼女が歌っていないときもずっと楽しめるのだ。彼女もバンドメンバーを信頼しているようで、ステージ上のキーボード脇に座り演奏を楽しむシーンなんてのもあった。(とってもキュート❣️)

終盤のLifeboats, I Am, Blue Lights, On My Mindの流れは凄かったな〜。新人と形容するには素晴らしすぎるライブで、世界中を虜にするのも納得ですよ!また来日してくれ!絶対また観に行くから!

 

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トム・ミッシュ、チラ見しようかと思ったけど、ちょっと寄るにはビーチの砂は煩わしいし、彼日本受け良さそうだしまた観る機会絶対くると思ってスルー。Higher Brothersも観たかったし、2日目被りつらい…😂

 

  • 17:40~ Marine Stage Chance The Rapper

昨年のサマソニのリークで沸かせたChance The Rapper from Chicago, Illinoisがついに初来日公演・サマソニに登場である!レーベルと契約しない彼がここ日本でライブをやるということは、それなりに大変だったはずである。プロモーションほぼなしで今日を迎えることになった。(関ジャムで紹介さても曲流せなかったしね。音楽を売らないのに、サマソニでグッズも売ることができなかったのも大人の事情なんだろうか。)

かなり前方で待機していたが、前方に集まった人たちの熱気は凄かった。Tom Mischを観に行ってギリギリ入場してもそれなりに前で観られたと思うけど、ふつふつと気持ちを高める時間はやはり重要。(ケンドリックのときもこんなこと言ってたなw)

 

チャンスがステージに姿を現わすと、溜まっていたボルテージが一気に解放され自然とモッシュが沸き起こる。チャンス・ザ・ラッパーは実在してる!笑

Mixtapeから間髪入れずBlessingsに突入。一気にマリンスタジアムはゴスペル的な祝祭ムードに包まれ、なんだかもう既に泣きそうである…。ラップと対話の中間のような感じで、一人一人のオーディエンスと向き合おうとしているようだった。

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序盤には、今年シェアされた新曲を披露するセクションがあった。今回のアジアツアーに向けて、既存のツアーをただ持ってくるだけでなく、しっかりと準備をして来日してくれたと思うと、チャンスの本気度が伺えた!Reeseynemとの新曲に至っては、前々日の金曜日に発表されたばかりである!Reeseynemも一緒に日本デビュー!!

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Chance The Rapperはとにかくオーディエンスとのつながりを求めた。シャイで英語が苦手な日本のオーディエンスに対して、疑問の目を向けるでも諦めの目を向けるでもなく、Don't be scared!と言ってずっと勇気付けてくれた。ステージ上の彼は本当にかっこよくて、頼り強くて、言葉が力強く響く。25歳という若い年齢ながらも、多くの人々が彼を慕い付いていく理由がよりはっきりと分かった。Same Drugsでチャンスとオーディエンスが確かに繋がった瞬間、なんとも言えない瞬間で今思い出しても鳥肌が立つ。自分は本当に日本のオーディエンスのことを誇りに思います!

 

ラストのBlessings (reprise)のときには、スタート時には明るかった空もすっかり日が沈んでいた。また日本でライブをするのが待ちきれないと言ってくれたし、その日を信じて日本の音楽界もオーディエンスも色々と準備しなきゃいけない。Are you reday for your blessings?

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  • 19:35~ Marine Stage Beck

Chance The Rapperで大満足してしまったけど、この人はやっぱり外せないよね。Devils Haircutが始まった瞬間二日間の疲れなんか一気に吹っ飛んでしまうのだから。素晴らしいアクトがひしめく裏のステージなんて気にならないくらいには、Beckのことが好きです自分。

一昨年フジロックで観たBeckは休養からの復帰やキャリア大総括の意味合いも含んでいたライブだったけど、今回のサマソニでのライブはもう終始UP!UP!なBeckのショータイム!後方のサポートメンバーを壇上に上げて、視覚的にも賑やかに、全体的にも2年前よりも随分と極太でパワフルなサウンドになっていたのが印象的だった。かつてのBeckはフェスのヘッドラインを飾ることに対して良い意味でこだわってない感じがしてたけど、現在の彼はそうした役どころに対してかなり意欲的に見えて、観に来た人全員を楽しませようというステージの内容だった。昨年発売された『COLORS』もかなりライブを意識して作ったに違いない。定番曲や人気曲に負けないくらい新曲群の盛り上がりが凄かった!

UP ALL NIGHTでは大方の予想通りDAOKOとのコラボレーションも披露され(DAOKOがイマイチ乗り切れない感じも初々しかった…笑)、先ほどのチャンスのように歴史を目撃している!!!という興奮はなくとも、ずっとただただ楽しい、夏を締めくくるには至福の時間を過ごさせてくれた。恒例のメンバー紹介+カバー曲披露の最高のアンコールタイムを経て花火で大団円〜〜〜!Where It's At!!!

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ほとんどのステージが終演した後、外は肌寒く、夏の終わりを感じながらマリンの外周でガパオライスを食べていた。(これがめっちゃ美味かった。)

ビルボード・ステージではステージ終了後にタイムテーブルにも記載されていなかったドラァグクイーンのステージが展開されていた!これが異様に楽しくて面白くて、こういうサプライズ的に楽しめる場所を今後もうまく配置して欲しいですね。


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さあ、今年のサマソニも終わってしまいました。今年のサマソニが今までで一番アーティストの充実感を感じられたし、快適だったし、楽しかったかもしれない。(快適過ぎなのも大丈夫なのか…?って気もするけど。体感としては来客数少ない気がしたし。)来年は20周年ってことで、3日開催ということで、今年のブッキングの姿勢は崩さずにうまくバランスをとって良いフェスティバルを運営続けて欲しいです。ではまた来年!!!