My Own Life Is Rubbish

主にライブレビューや音楽のことについてのブログです。

MY ALBUM OF THE YEAR 2019

Spotifyが今年“Wrapped”という新しいサービスを開始した。毎年年末にその年のまとめのプレイリストとかを作ってくれていたけど、今年からより詳細なデータを提供してくれるらしい。

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世間的には「2019年はBillie EilishとLis Nas Xの年」として記憶のされるだろう。特に来年Billie Eilishは日本でもすごいことになりそうな予感…。

自分の2019年まとめを見てみると、BrockhamptonやDisclosureとかThe Chemical Brothersがランクインしていて、それはフェス等での来日公演があった組でもある。それに向けて聴いていたのがそのまま上位に来たということだろう。しかし上記のアーティストで聴いていた作品って昨年リリースされたものが大半だし「これが今年のあなたのランキングよ!」と突き付けられると違和感があるのが正直なところ。Post MaloneとSwae LeeのSunflower、多分今年一番聴いたんだけど、単純に人気曲をたくさん聴いていたって感覚だし、第一Post Maloneのことかっこいいと思ってないし😂 ただデータとしては貴重。肌感的には合ってる。Ariana Grandeそんなに聴いてたか?って感じだけど。

というわけで自分が対外的に発表するランキングとしてはやはり別のもの用意するわけで。あんまり明確な基準はないんだけど、どれだけ年の瀬になって印象に残っていたかが重要な気がする。2019年リリースでまとめた曲のプレイリストは次のような感じ。

open.spotify.com

 

個人的アルバム・オブ・ジ・イヤー発表の前に来年に向けた気になる動きを少々。

 

1. HAIM - 『Summer Girl』

Lou ReedインスパイヤされたというまさにHAIM流・LA版『Walk On the Wild Side』!LAの街歩きMVも最高だし、随所に奏でられるサックスのパートがいちいち胸をくすぐる。今夏のNo. 1サマーソング。他の新曲も良さげだし、来年リリースされるであろう新作が楽しみ!

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2. The 1975 - 『People』

今年の来日直後にシェアされた新曲に世界中が衝撃を受けた。今までのR&B, Electronica路線から一点、一気にハードコアに舵を切った『People』に思わずひっくり返った記憶がある。デビュー当初から知っているけど、当時はやることなすこと全て注目を浴びるようなバンドになるとは思わなかったよな〜。ちょっと10年代のRadioheadになりそうな感じある。

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3. Frank Ocean - 『DHL』

今年は例年に比べて新しい音楽にワクワクする機会が少なかった気がするけど、Frank Oceanの2年ぶりの新曲には流石に心躍った。今作のプロデュースにはBoyz Noiseが参加しているが、他の新曲ではJusticeなども加わっているとのこと。ちょっと予想斜め上すぎるけど、クラブ・ミュージックやフレンチ・エレクトロに傾倒するFrank Oceanなんて想像するだけで楽しみすぎる。

Listen to Frank Ocean - DHL

 

ALBUM OF THE YEAR 2019

 

  • 第10位 Charli XCX - 「Charli」

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Charli XCXがミックステープを2枚挟んでフルアルバムを5年ぶりにリリースした。Christine and the Queens, Sky Ferreira, HAIM, Lizzo, yaeji, Clairoなどなど、多くのFemaleポップ・アーティストをフィーチャーして冠した自身のアルバムが『Charli』なのはとても彼女らしくて最高だなって思った。Charli XCXって気がつけば人気者の隣で写真を撮っていて交友関係が広いイメージ。しかし、ただそれだけじゃなく、Taylor Swiftとツアーをやりつつも、常にアンダーグラウンドのシーンにも目配せして自身の作品に引っ張ってくるような嗅覚の鋭さがある。前作『Pop 2』はそんな彼女のエッジーな部分が最も強く出た作品だった。今作はその方向性を引き継きながらも、以前よりも開かれたレフトフィールド・ポップとなっている。今までのCharli XCXのイメージはI Love ItやBoom Clap, Fancyなどだったが、『Charli』を経て完全にNext Levelに更新したのではないだろうか。

 

第9位 Beck - 『Hyperspace』
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赤いトヨタセリカをバックにカタカナの“ハイパースペース”が印象的なアルバムジャケット。今年リリースされた作品の中で一番かっこいいと思った。Beck通算14枚目のオリジナル・アルバム。11曲中7曲にファレル・ウィリアムスが入っていて、去年のアリアナ・グランデに続き良いプロデュースするなぁと感心。(昨年のアリアナほどファレル節はわかりやすくは出てはいないけど。)むしろファレルって自身の作品よりも他人と関わるとより良い仕事をする印象。Get Luckyとか、Happyも元はミニオンの映画の提供曲だったりするし。

ベックはアッパーなアルバムを出すと、その反動なのか『Moring Phase』とか『Sea Change』などに代表される少し落ち着いた内省的なアルバムをリリースするイメージがあるけど今作はどうだろう…?Beck流ポップを極めたような前作Colorsと比較とするともちろん落ち着いているけど、暗くはない。夜だけど白夜である、というような全体的に浮遊感をもったサウンド・スケープ。収録曲Saw Lightningから、荒れ果てた世界にもう逃げ場所はない。でもそれを嘆いているばかりにもいかないよね?という個人的解釈をして、Beckはやはり時代感を捉えるのが上手だなと妙に納得する。

 

  • 第8位 Suchmos - 『THE ANYMAL』

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 2016年後半にStay Tuneが大ヒットして一気にスターダムに駆け上がったのももう3年前のことである。その後調子に乗って、Stay Tuneの廉価版みたいなのをリリースし続けても文句は言わないつもりだったけど、Suchmosはそうはならなかった。地道という感じはしなかったけど、確実に一歩ずつ歩みを進めていった印象がある。とここまで言いつつも、これまでの彼らのイメージって器用にブラック・ミュージックのエッセンスを組み込んではいるのだけど、どこか表面的な印象もあってハマりきれずにいたというのも正直なところ。しかしながら、今回のアルバムを聴いて評価は一転。そしてなぜ彼らが“ロック・バンド”に拘ってきたのかも同時に分かった気がした。

今作は、過去の作品とかなり質感が変わり、かなり渋い側面のビートルズっぽさも感じる。10年代のシティ・ポップという言葉が死語になりつつあり、そのムーブメントに乗ったバンドが各方向へ舵を切る中、その一番の矢面に立ったとも言えるSuchmosが予想外に面白い方向へと進んでいったなと興味深い印象を受けている。ブルース、サイケに傾倒し、時代に逆行した74分間の長尺のSuchmos流のロックンロール・アルバム!このアルバムをもってスタジアム・バンドへと成長していくのカッコ良すぎる。しびれた! 

 

  • 第7位 Faye Webster - 『Atlanta Millionaires Club』

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  • 第6位 Lana Del Rey - 『Norman Fucking Rockwell!』

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  • 第5位 Stella Donnelly - 『Beware of the Dogs』

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  • 第4位 King Princess - 『Cheap Queen

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  • 第3位 IAMDDB - 『Swervvvvv.5』

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  • 第2位 Mac DeMarco - 『Here Comes The Cowboy』

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  • 第1位 Tyler, The Creator - 『IGOR』

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まとめ

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