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主にライブレビューや音楽のことについてのブログです。

[2016.12.13]Alabama Shakes JAPAN TOUR 2016 Live At Zepp Nagoya

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去年か今年に絶対観なければいけない超重要なバンドの1つ、アラバマ・シェイクス。SMASHがギリギリ年内に滑り込みで呼んでくれました!そんなJAPAN TOTRの名古屋公演に行ってきたのですが、チケットは現時点で大阪以外ソールドアウト!!福岡まで売り切るとは。近年の洋楽インディー界隈では珍しい人気振りです。自身にとってもそんなアラバマ・シェイクスのライブに対する期待値は1番高かったかもしれません。だってあんな素晴らしい歌声を持ってるんですもん。そんな期待に違わない最高のライブを見せてくれました!

Zepp Nagoyaはこれまでにも何度か来たことがありますが、今回は完全座席指定のライブとのことでパイプ椅子がずらりと並ぶいつものZeppとは違う景色。外はあいにくの雨模様だったので、外で入場待ちすることもなかったのでちょうど良かったかも。私の座席はというと、前から5列目くらいでちょうど真ん中らへんのかなりの良席!フロントウーマンのブリタニー・ハワードがすごく近く、表情までよく見えるほどで、センターに大きな大黒柱としてずっしりと構えるブリタニー・ハワード(以下ブリちゃん)はめちゃくちゃインパクト大!笑

定刻から10分弱ほど経ち、ステージにアラバマ・シェイクス一行が登場。正規のメンバー+キーボード2人+コーラス3人の全部で9人の構成である。2ndアルバムからFuture Peopleでライブが始まると、綺麗な高音を丁寧に歌い上げるブリちゃんの歌声にさっそくうっとりとしてしまう。音源を聴いていると、やはりその力強い歌声に耳が行きがちなんだけど、この日のライブで強く感じたのは、それ以上に繊細な部分の表現が非常に上手いことである。歌い方を場面によって使い分けることで、よりパワフルな歌声が引き立つし、それを強く感じたのがMiss Youという曲でサビでの爆発力がとてつもなく、怒りにも似たような情念を込めて歌い上げるブリちゃんの姿にこちらも興奮せずにはいられない。Joeなどの曲ではギターを手から離し、ハンドマイクに切り替えて観客に語りかけるように歌いあげる。1曲の中でも目まぐるしく表情は変わってゆき、まるで曲に魂をのせるように歌う様はシンガーという以上に表現者と大きく括ったほうが正しいような気がした。

アラバマ・シェイクスは短めの曲が多いせいもあるのだろうか、1曲1曲に凄く引き込まれてしまうので体感時間がとても短く、ライブはあっという間に終盤にさしかかっていた。ブリちゃん以外のバンドメンバーは、あまり動きは多くなく、特別演奏が上手いという感じでもなかったのだが、大事なところでは上手く噛み合い、とてつもないグルーヴを生み出していた。ブリちゃん1人の個性が全面的に出ているバンドではあるが、あのバンドの中でこそブリタニー・ハワードの存在が引き立つような気もするし、他のメンバーが底上げすることでこのバンドはまだまだ素晴らしくなると思うと末恐ろしい。あっという間に本編は終わってしまい、アンコールに突入してしまったが、そのアンコール3曲が本当に素晴らしかった!本編に比べて激しくない曲が多かったのだけど、よりブリちゃん表現者としての魅力が光り輝いた時間だった。美しく響き渡るソウルフルなボーカル、ラストのOver My Headのコーラスが重なる部分なんて今思い出しても素敵な瞬間だったなと思う。こんなに終演が寂しいと感じたのは久しぶりだったし、今絶対観ておかないといけないライブだと強く確信した。

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ライブ全体としてのストーリー性は薄かったけど、一曲一曲にストーリーがあって、例えて言うのなら、短編集を読んだような、そんな気分。

今まで散々と薄っぺらいレビューを述べてきましたが、アラバマ・シェイクスのライブほど“とりあえず観たら全部分かる!!”というライブは他にはないんですね。一年の最後に素晴らしいライブを観ました。ぜひまたフジロックのグリーンステージで観たいです。